「私は違う」と思っていた
『#真相をお話しします』読後感想
現代を切り取る5つの短編
中学受験「惨者面談」、パパ活「ヤリモク」、
リモート飲み会「三角奸計」、精子提供「パンドラ」、
動画配信「#拡散希望」。
現代を映す短編ミステリが、5編。
どれも今の社会ならではの題材。
だからこそ他人事のまま、軽く読み始めてしまう。
わかっているのに、外れる
伏線はきちんと置かれている。
ヒントも示されている。
ほんの少しの違和感も感じている。
それなのに私は、都合のいい解釈を選び読み進めていく。
そして最後に、その甘さごと鮮やかにひっくり返される。
どんでん返しが来るとわかっているのに、当てられない。
その悔しさと、見事に裏切られる快感。
——この記事を読んでいる「あなた」も、すでに物語の一部かもしれません。
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「#拡散希望」が突きつけたもの
けれど「#拡散希望」だけは、少し違った。
どんでん返しのあと、
「え、これ私もかも…」と冷や汗がにじむ。
深く考えずに押した“いいね”。
面白半分で覗いた炎上。
その一つひとつが、物語の中のその他大勢と重なっていく。
そこにいたのは加害者でも被害者でもなく、
“画面の前で眺めている私”だった。
暴かれたのは真相ではなく
私は真相を知りたいのではなく、
ただ“正しい側に立ちたい”だけなのかもしれない。
真相は明かされた。
けれど、本当に暴かれたのは事件やその裏側ではない。
無責任に拡散していたのは、
遠くの無関係な誰かではなく、
正しいつもりでいる私自身だったのかもしれない。
この「真相」を映像で目撃したい方はこちら: 実写ならではの緊迫感で、あのひっくり返る快感をもう一度。
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