※この記事には映画のネタバレが含まれます。
※この記事は『ウィキッド』徹底解説シリーズの第3弾です。
『ウィキッド』に隠された伏線
『ウィキッド』は、何気ないシーンの中に
多くの伏線が隠されている映画でもある。
最初は気づかなかった小さな要素や、
見逃してしまいそうなワンシーンが、
物語の後半で大きな意味を持ってくる。
もう一度観たくなる理由の一つは、
二人の圧倒的な歌唱力だけでなく、
こうした細かな伏線の存在なのかもしれない。
エルファバの母の小瓶
映画の冒頭、エルファバの母が
小さな瓶の飲み物を口にするシーンがある。
不倫の場面をコミカルに描いた、
何気ない演出のようにの見える。
しかし物語が進むにつれて、
あの小瓶の存在が、不倫の相手とともに
大きな意味を持ってくる。
一瞬の出来事だったはずの場面が、
後半で再び小瓶が登場した瞬間、
はっきりと記憶とつながる。
ほんのワンシーンなのに、
物語の根幹に関わる伏線になっているのは
見事だった。
フィエロとかかし
物語の中で印象的だったのが
フィエロという人物だ。
世の中をどこか達観したように見ていて、
物事を本気で受け止めないよう、
わざと軽く振る舞っているようにも見える。
しかし実は、
彼は物事の本質を理解している人物でもあった。
自分の頭で考え、
自分の意思で行動する
その姿は、後に登場する「かかし」という存在と
どこか重なって見える。
ボックとブリキ
もう一つ印象的なのが、ボックの運命だ。
最初のボックは、不器用だけれど、
誰よりも優しい人物だった。
しかし物語が進むにつれて、
彼の人生は大きく変わっていく。
その変化は、
奪われ、失われていく
「心」を巡る物語へとつながっていく。
ネッサと魔女
そして、ネッサ。
父や姉のエルファバに守られ、
穏やかに生きていた彼女は、
権力を手にしたことで少しずつ変わっていく。
愛を失う恐れ。
姉への嫉妬や劣等感。
そして、孤独
そうした感情が重なり、
やがて彼女は暴君へと変貌していく。
ネッサの最期と、繰り返し登場していた靴が、
『オズの魔法使い』の始まりに繋がった瞬間の大きな驚き!
前作冒頭と本作ラストのグリンダ
エルファバが溶けて消えたことを
歓喜する民衆のシーン
グリンダは勝った側に立ち、
「善い魔女」として民衆に迎えられている。
前作では違和感を感じなかったこの場面も、
本作を見た後では、まったく違って見える。
そこにあるのは、
安堵・悲しみ、そして覚悟の表情。
エルファバが本当は悪ではないと
彼女だけが知っているからだ。
そしてこれからも、
「立場」によって社会に悪とされる人が
現れるかもしれないから。
最初からもう一度観たくなる理由
こうした伏線に気づくと、
最初のシーンの見え方が大きく変わる。
何気なく流れていた場面が、
実は重要な意味を持っていたとわかるからだ。
『ウィキッド』は、
一度観ただけでは気づけない魅力が
たくさん詰まった作品だと思う。
配信やDVDで、
もう一度最初から何度も見返したくなる映画だった。
▼あわせて読みたい『ウィキッド』連載記事
- 感想:善と悪ではなく「立場」の物語だった
- 考察:グリンダはなぜオズに残ったのか
- 伏線:気づくともう一度観たくなる演出まとめ
映画のあのシーンの本当の意味、そして語られなかった結末。
すべては原作の中に隠されています。一気読みしたい方はこちらから。


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